Secret Present Garden 〜こびとたちのひみつの庭

「プレゼントガーデン」そこでは、樹木が優しく見守るなか、絶えず草花が茂り、こびとたちがハーブティーや季節の花のブーケなど、あたたかいプレゼントを色々なところに贈り届けるしたくをする。 そんな、プレゼントガーデンの構想と、実現に向けての様子、および、魔法や植物についてのmakiLiliaの勉強と研究の記録を記してまいります。

楽西フォレストガーデン☆土地の見たてと植栽

大地の呼吸∞環境整備ワークショップに続き、楽西フォレストガーデン 土地の見たて&植栽ワークショップ、日本でいち早く、浜松にてフォレストガーデンを育ててきている淳くんを講師に招き、素敵な仲間と共に、無事開催することができました◎

1人で立っているだけでは見えなかった景色、新たな夢、可能性、つながるぬくもり、
大切に抱きしめたいものがギュギュッとつまったような、
両手をひろげて、降り注ぐいのちをおおきく受けとめているときのような、、、
自然と人の豊かさのなかに生きている感覚、その躍動に、喜び、感動した2日間でありました。

よって、丁寧に記憶にとどめたく、こちらを記しています。

なにしろ当日は、講師の淳くんをはじめ、フォレストガーデンのワークショップを一緒に受けた三重のきこりで材としての樹木にとても詳しい昇くん家族や、愛知でのバイオジオフィルター修復作業、滋賀での池作りを共にしたチシン君、鉄平くん、と、森や土と一体になるように自然の声を聞いて動けてしまう仲間が、いよいよこの楽西の地にも遊びにきてくれたことに、踊るココロはとまりません。

他にも、そもそも、この場所を最初に開拓をはじめたパイオニアよんちゃんを私に紹介しつなげてくれたもとこさんや、前回ラジオでフォレストガーデンについて一緒に話させてもらったまやさんや、どちらかというと都市で会うことが多いにも関わらず、森や畑について熱く語れる三浦さんやマックスさんカップルと、これだけの人がここに集ってくれた、それでもう満足◎と言いたくなるような顔ぶれでした。
 

前日の大地の呼吸∞環境整備ワークショップで、このまま予定地に植栽は難しいのでは・・・という意見もあり、淳くんにそのことをお伝えしつつ、けっこう色々無茶ぶりしましたが、さすがの淳くんの華麗なるファシリテーションで素晴しい1日となりました。

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まずは、集まった皆との交流しつつ、「土地のみたて」「観察」についての考えを深めました。

 

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淳くんも、昔、師匠から、「観察することがとても大事」と言われたものの、現地にたつと、
「はて、何を観察すればいいの・・・?」と、戸惑ったとか。

確かに、現代において、突然自然のなかにポツンと置かれても、何を読み解けばいいのか、
「分からないことが分からない」状態な人は多いんじゃないかな。。?

そこで、淳くんは3つの視点で、場所をみていくことを教えてくれました。

1、空
2、土
3、生き物

3つのグループに分かれ、その土地において、空にあるもの、土にあるもの、また、生き物はどんな様子をしているか、五感をしっかり働かせて感じます。

わたしは、「空」のグループでした。

空にあるもの:

昨日、笹ヤブを刈って、風が通るようになったので、北側から風が吹いてくる。
風が寒さを運んでくる。
その寒さによって、逆に「人がいる」と「温かい」ということも感じる。
ヒヨドリの鳴き声、カラスの鳴き声。

昇君と長女のみわこちゃんが「虫の鳴き声も聞こえる」というのだけれど、
私は全然聞こえず、何度も挑戦して、やっと聞こえました。
このことがなかなかショックで、、、ずっと都市で暮らしていると、そういう繊細な周波数は拾わない耳になっていくのかもしれません。
個人的には、みわこちゃんが、なんか素敵でね。さすがきこりの昇くんと共にいるだけで、なのか、なんか芯があるというかしっかりしてるんだよね。土地の見立てもお父さんの昇くんと肩を並べて普通に行える。でも、素直な笑顔とかも可愛くて。教育って、頭で難しいことを考えることじゃなく、自然とこういう風に、まっすぐにこころよい子どもが育っていく環境を整えてあげることなんだろうなぁ。。とあらためて感じさせてもらいました。 

 

おもむろに、yoshが
「人の声、なんかこの農園の周りが、ザ・自然ってわけじゃなく、人の暮らしの気配があるよね。」
と言います。確かに、となりも畑をやっていたり、この農園に沿った小道は近くに住む人たちの通り道になっているので、人の暮らし、生活の気配があります。

この辺りから、「人」というキーワードが私のこころに、その印象を強めていきます。

他のグループも、それぞれの視点での観察を発表してくれました。
 
お昼ごはんのときや、ワークショップの合間の休憩時間も、淳くんは、席についてご飯を食べることもなく、農園をあちこち移動しながらその場その場でジッと立っていました。
いま思えば、それこそ自然と対話しているかのように。
 
昇君も、チシン君・鉄平くんも、ふと見ると、農園の端の方まで歩いていたりします。
土地を観察し慣れている人は、そうやって自然と足が進むようです。
はたから見れば、何をみつめるともなく、立っているように見えます。
でも、なんていうのでしょう、目のなかに光があるというか、みつめている対象がしっかりとある。または、耳をすませているようです。

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※画像はイメージです。。「もののけ姫」より。

そのように、風のなかに立つチシン君に声をかけてみると、逆に質問が返ってきました。

「これさ、、、どうして、この一角をフォレストガーデンにしようと思ったの。。?」

「えー、えっと、この辺りはこないだまでヤブになってて、まぁ、いまのところ、上は田んぼ、小屋の入り口周りは畑で、ここに広さがあるから、フォレストガーデン作ろうてなったときは、すでにこの場所が予定地になってた感じかなぁー。」

と答えます。

「いやさ、せっかくこれだけの広さがある場所で、無理にここだけに限って樹を押し詰めるのは勿体ないんじゃないかな、と思って。このままだと陽当りも確保しずらいし。それに、この広場もそのまま使ってもすごく色々可能性があって、人が集まる「場」になると思うんだよね。近くに畑やってる人もいるから、マーケットとかもできるかもしれないし。下段の沼のところも活かせると、全体でみて、すごく面白い場所になると思うよ。」

・・・!

確かに、そう言われてみれば、その通りで、なんとなくの思い込みだけで、ここは元々田んぼ、ここは畑、残りはここ、みたいな発想でいたところに、新しい視点をもらって、それこそ、この場所をみる目が変わりました。

フォレストガーデン予定地には、いくつか大きめのナンキンハゼの木があって、その木をそのままにしておくとすると、そんなに良い陽当りは望めません。
で、デザインをつくったときは「まぁ、低めに剪定させてもらおう」と話していたのだけど、
その後、現地にみんなで集まり、大地の再生講座に何度も行っているさがちゃんが
「むやみに切らないほうがいい。この子たちが地中でどれだけのことをしてくれてるか考えたら、そう簡単には切れない」と言ったことばがとても心に残っていて、私もひそかに、陽当りを確保するために、この木々を切ってしまうことを忍びなく思っていたのでした。


自然に無理をさせないで、人ののぞみも、共存させる。
互いが手を貸し、寄り添うように、生きる願いを叶えていく。
PCT- design Labのみんながすすめている「フォレストガーデン」は、そういった人と自然が対立することなく、共に生きるようにする、というのがとても魅力的で、その本質に立ち戻ると、色々とデザインを考えなおす必要があるように思えてきました。


元はといえば、この土地じたい、上段だけだと思っていたのが、開拓していくうちに中段、下段、と見えてきたのもあって、こうやって、全体を俯瞰してデザインを考える、ということはしていなかったところ、今回のこうした多様な視点、違った角度でこの場をみつめる、というのは、とても大切な転換点であるように思えます。
みんなの意見を聴くごとに、どんどん視野が広がります。

下段はまだまだ沼地だけれど、つまりは田んぼのような場所なので、そっちを田んぼにし、水はけが良いはずの上段を畑にしたほうが、野菜の育ちはいいはずです。
3段あって、土質が異なれば、それに合わせて樹木も、あちこちにその特性にあったものを配置すると、この楽西自然農園全体で、多様な植生が生きることができます。
広場は広場のままに、ナンキンハゼの木陰で人々が集ってお茶でも飲んだり、子どもたちが遊んだり、本当の意味で、自然も人も活き活きと楽しむ楽園ができそうです。

こうして「観察の目を養う」ワークの効果が大きかったもので、その後、予定していた場所へ苗を植えるのは今の段階では避け、淳くんがギフトとして持ってきてくれたオリーブ2苗を別の陽当りの良いところ植えることになりました。

植える前には、オリーブのニーズ、わたしたち人間側のニーズをみんなで出していきます。
オリーブの気持ちになって考える、なかなか素敵なワークでした。

植え付けの前にみんなで、笹ヤブを刈り、溝を堀り、竹炭と堆肥をいれます。

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こういった土木作業は男性陣が大活躍。

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女性たちは、ワイワイ話しながら、堆肥をふるいにかける作業にいそしみます。

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そして、うちの小人はこの作業の間中、おねえさんと一緒にカキドオシの葉を収穫してくれていました。

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わたしは、こういったそれぞれの人がそれぞれの適性に合わせて、楽しそうに活き活きしている光景というのが、とてつもなく好きです。人が本来の姿である、ように思えるのです。

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苗のひとつはさがちゃん流に、穴を掘ったところに苗をいれ、土をなげるようにいれる。そして、水も、バケツから手で汲んでバシャバシャっとかける。かなり「自然ありのまま」な感じです。

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もうひとつは淳くん流に、
まずは、二股に分かれている枝は長い方を残して短い方を剪定し、一番育ちのよい枝を地面と垂直になるように苗をいれます。根は基本、ほぐさない派だそうです。
土をかぶせ、支柱をし、下の方の枝葉をもちあげるように紐で支柱にしばります。見た目でいうと苦しそうに見えますが、こうすることで成長ホルモンが垂直に流れやすくなり、ある程度成長したところで紐をとってあげると、また一気に成長する。とか。かなり「人の意図」がある感じです。

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この2つの違いがとても顕著で面白かったです。それぞれの成長を今後見守っていくのが楽しみです。

最後は、感想をシェアしあい、みんなで手をつないでちょっとした儀式的なこともして、感動の日暮れと共にワークショップは幕をおろしました。

前日の翔太くんのワークショップが自然への愛を存分に感じるワークで、こちらは、その自然と人間の融合点を探るような、そして人と人とのつながりのあたたかみを感じれるワークでした。

いつもはどこかへ出向いて、その度、あたたかいコミュニティがあることを羨ましくみていたのが、なんと、自分たちのホームである京都でもそれが実現している、、、!ということが、なによりの感動でした。

ワークショップでは、お互い1人だったのが、家族みんなで会えて、子どもたちが竹滑り台や葉っぱやあれこれで遊んでいる姿をみれたのも嬉しかった。

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※竹滑り台に夢中のこどもたち

淳くんからは、浜松で育っていた、たくさんの苗もギフトでいただいて、、、
わたしたちもいつかそんな風に次にフォレストガーデンを始める人たちのために苗も育てていきたい、と、背中をみて学ばせてもらうことばかりのわたしたちですが、
これからも、確かに息づくこのいのちを、たいせつに見守り、みんなで育ちあっていきたいと思います。

参加してくださったみなさん、

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本当にありがとうございました!

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今回は残念ながら予定が合わなかったかたも、また、たのしく、この地で共に豊かな時間を過ごせたらと願っています◎